二尊院境内の高台に、自然石を積んで立方的に築かれた土台に、花こう岩の堂々たる五輪の塔があります。
中央の塔の周囲には数十個の小さな五輪塔が並んでいます。
これが唐の玄宗皇帝の愛妃揚貴妃の墓と伝えられています。
日本へ逃亡したというスケールのでかい話がまことしやかに囁(ささや)かれているのは、反乱の後、楊貴妃の亡きがらが見つからなかったから。そのため「死んだと思わせているだけで、実は替え玉だった」などという説が、今でも根強く残っているらしい。ちなみに二尊院のご本尊は、玄宗皇帝が楊貴妃の死を悼んで贈ったものと伝わっている